^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
アナフィラキシーと言う言葉をご存知でしょうか?
聞いたことがある人もあるかもしれませんが、外来でしばしば「アナフィラキシー」と「アレルギー」ってどう違うんですか?と聞かれることがあります。
医学用語で分かりにくいのだと思います。
同じような気もするし違うような気もする。
この2つの違いと「アナフィラキシーは緊急受診すべきもの」という事について解説をしていきます。

Contents
アナフィラキシーはアレルギー症状が激しくでたもの
アナフィラキシーとはざっくりとした表現にすると「アレルギー症状のはげしい版」と言うこともできます
もう少し細かくお伝えすると専門的には2つの臓器にわたるアレルギーの症状です。
多くは皮膚症状(蕁麻疹)プラス別の症状です。
アレルギー症状のほとんどは皮膚に現れる蕁麻疹で、蕁麻疹とは蚊に刺されたような、ぷっくりとした発疹で強いかゆみがあります。
アレルギーで有名なのが食物アレルギーですが、原因の食べ物を食べたあと30分ほど(長くても2時間以内)に症状があり現れれば食物アレルギーの可能性が高いです。
その場合、普通は皮膚の蕁麻疹だけですが、アレルギー症状が肺に現れると喘息みたいなヒューヒューといった音が鳴るようになり、腸に影響すると腹痛や下痢を起こしたりします。
このように、例えば蕁麻疹+喘息、のように2種類以上の症状が急にでてきた場合はアナフィラキシーと診断されます。
アナフィラキシーは急速に症状が重篤化することがあり、あっという間に命を落とす危険性があります。
こんなニュース記事もあります→小学5年女児がおかわりの際に粉チーズが入ったチヂミを誤って食べてショック死
どんどん悪くなるアレルギー症状はすぐ受診すべき
アレルギー症状が出現したときは受診をするべきでしょうか?
どんどん悪くなる場合は基本的には受診した方が良いと考えます。
アレルギーの症状も様々で、ちょっとかゆくなっただけの人からアナフィラキシーのように命に関わるものまで幅が広いです
ごく軽いものですぐに治るようなものであれば様子をみていても大丈夫ですが、どんどんひどくなる場合はどこまでひどくなるかわかりませんので病院に受診をし治療を受けたほうが無難といえます。
特にアナフィラキシーになった人は症状の進行が非常に早いので場合によっては救急車呼ぶことも考えなくてはなりません。
ヒューヒュー言うような状態、意識がなくなったときには救急車が必須と考えます。
アナフィラキシーとアナフィラキシーショックの違い
これも専門用語なので難しいかもしれません。
アナフィラキシーとアナフィラキシーショックも違います。
ショックというのは、「とても辛いことがあってショックを受けた!」というように一般的に使われますが、医療用語の「ショック」は違います。
医療用語のショックとは血圧が一気にさがってしまう状態で、脳など臓器に血液がいかず命を落とす可能性がでてくる状態をいいます。
ショックとは非常におそろしい重症状態です。
アナフィラキシーになった人の中で、さらに重度の場合はアナフィラキシーショックとなり、命にかかわる緊急事態になります。
ショックになると意識がなくなる人もいるので意識がなくなる(orなくなりかける)ぐらいの人は救急車を呼んだ方がいいのはこのためです。
アナフィラキシーの治療について
アナフィラキシーの治療は3本立てです。
抗ヒスタミン剤の注射
ステロイド剤の注射
アナフィラキシーになった場合は3つとも行います。
うまくいけば30分~1時間で回復します。
しかし、薬の効果が切れる6~8時間後に再度症状がでる可能性がありますので、入院で様子をみることが多いです。
アナフィラキシーと診断された後、家庭で注意すべき事は?
アナフィラキシーになった場合、なぜアナフィラキシーが起こったのかを担当医と考える必要があります。
食材が原因であれば、さけるようにしなければなりません。
珍しい、運動誘発性アナフィラキシーというものであれば、原因の食材(多くは小麦)をたべたあとに運動をさける必要があります。
そのように、原因を追究して避けるようにします。
そうしなければ、また命にかかわるアナフィラキシーを発症する可能性がでてきてしまいます。
自宅での治療薬:エピペンについて
では、万が一、またアナフィラキシーを起こした場合、命にかかわる状況になってもすぐに病院にいけなければ危険です。
そのために用意されているのが、エピペンというお薬です。
これは、さきほどだしたアドレナリンというお薬が入っているのですが、アナフィラキシーには最も効果のあるお薬です。
自宅で注射ができるようになったキット製剤です。
必要な人は自宅もしくは学校などに置き、アナフィラキシーが起こった時に使います。
詳しくは担当医の先生に聞いてください。
また、公式サイトでも勉強することができます→エピペンサイト
まとめ
以上を要約します。
2種類以上の症状が出るもの
基本的には病院受診が必要
アナフィラキシーの原因追及が大事
エピペンという治療薬がある
今回の記事が参考になれば幸いです!
それでは!
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