^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
コロナも心配ですが、小児科で流行をみせているのが「ヒトメタニューモウイルス」というものです。
ヒトメタニューモウイルスを聞いたことがあるひとは少ないとおもいますし、お母さんにきいても名前はしっているけどよくしらない、、、というひとがおおいです。
ネットをしらべると特効薬はない、って書いてあったりするのに、入院するのかしないのか、という話にもなるウイルスです。
ヒトメタニューモウイルスは症状が長引くことが有名ですが、どんな症状がでるのかをお話ししたあと、どういうときに入院が必要かについて解説をしていきます。

ながびいているけどいつ治るのかな?
といった疑問にお答えしていきます!
Contents
ヒトメタの症状は熱・多量のハナミズ・ゼーゼー
ヒトメタニューモウイルスの症状は、「発熱」「ハナミズ」「セキ」です。
え?それ、ただのカゼと同じ?とおもったひとは正しいです。
ヒトメタニューモウイルスは、そもそもカゼのウイルスなので症状は「熱・ハナミズ・セキ」の3点セットはかわりません。
ただし、かるいヒトメタニューモウイルスからひどいものまで重症度はさまざまです。
かるいヒトメタニューモウイルスは、ほんとうにただのカゼですが、ひどくなるものはやはり違います。
とくに目立つのは、ハナミズです。
びっくりするぐらいハナミズでます。
ヒトメタニューモウイルス流行シーズンに、鼻にカピカピとハナミズをつけてくる人は感染している可能性高いです。
セキもけっこうひどめですが、ぼくたちの表現でいうところの「ぜーぜー」している人もヒトメタニューモウイルスに関している可能性が高いです。
ことばで表現するのは難しいのですが、息を吐きだすときにしぼりだすように、「ぜー、ぜー」というものです(ことばでは伝わらない気がする、、、)
ぜーぜーがひどくなると、「努力呼吸」という緊急受診が必要なレベルになります。
「努力呼吸」とは、肩で呼吸をしていたり、おなかやくびまわりがペコペコへこむような呼吸で、あきらかに苦しそうです。
夜中でもすぐに病院を受診してください。
ヒトメタの熱は長い!平均5日
普通のカゼとよく似ているヒトメタニューモウイルスですが、熱の長さはけっこう特徴があります。
普通のカゼなら1日で熱がさがるものがおおいですが、ヒトメタニューモウイルスに感染するとあがりさがりしながらも38℃以上の熱が平均5日ぐらいつづきます。
1週間ぐらいつづくこともしょっちゅうあります。
カゼっぽいけど、すごく長引いているセキ、というときにはヒトメタニューモウイルスの可能性があるかもしれません。
検査はハナに細い棒をいれる
では、どうやってヒトメタニューモウイルスをしらべるのでしょうか?
インフルエンザと同じように、ほそい棒をハナにつっこんで検査を行います。
病院によっては、ハナミズを吸引して、それで調べるところもあります。
だいたい15分ぐらいで結果がでます。
ただし、保険適応の関係からヒトメタニューモウイルスの検査をうけることができるのは6歳未満の肺炎がうたがわれる人となっています。
治療法はセキとハナミズの対処
治療のキホンはセキとハナミズのコントロールです。
とはいっても、なかなか薬がききにくいので、少しでもマシにする、というようなものです。
とくにハナミズはなかなかのインパクトです。
赤ちゃんがかかってハナミズで鼻がつまると哺乳ができなくなるので脱水になりやすくなります。
自宅でハナスイ機をもっていたら、積極的にしてあげることをおすすめします。
奥の方にハナミズがあってなかなか吸えないときは、受診する必要がありますが、小児科もしくは耳鼻科でしっかりとハナミズをすってもらってください。
効果は一時的ですが、スッキリします。
入院の基準は呼吸と脱水の程度で決まる
今回の記事のキモですね。
ヒトメタニューモウイルスだからといって、すぐ入院とはなりません。
入院の基準は「呼吸の状態」と「脱水の程度」で決まります
呼吸の状態
入院が即決まる可能性があるのが呼吸の状態です。
レントゲンや検査値も大事ですが、一番は本人の状況です。
息もできないぐらい苦しい状況であれば、それだけで入院の必要性アリ!と判断します。
呼吸困難な状態になっている場合は、酸素をすわないといけないぐらいひどい場合があるので入院が必要になります。
自宅で酸素吸入できないですからね。
身体の酸素の状態をしるために、病院で酸素の数値をはかる機械があります。
SpO2という数値です。
SpO2は正常であれば97%以上(最高で100%)で、がんばって息をとめて苦しくてたえれないぐらいまで頑張って1%さがるかどうか、という数値です。
患者さんの状態や医療状況でかわりますが、SpO2 95%以下は入院を濃厚に考え出す基準です。
SpO2 93%以下はみた瞬間に入院がほぼ決まるぐらい低いレベルです。
また、昼間のほうが夜とくらべると呼吸状態は安定していることが多いので、病院受診した時にはまずまず安定していても、夜に悪くなることが予想されるひとは入院をすすめられるケースがあります。
脱水の程度
呼吸状態がわるくなくても、熱が5日前後もつづくウイルスですので、体力はどんどん削られていきます。
食事があまりとれず、水分もとれなくなってきたら、脱水の可能性があるので入院を意識します。
尿量も良いめやすになります。おしっこがいつもの半分以下であれば、入院がよいと思います。
週末や連休がちかいかどうか(つまり次の日にすぐに病院を受診できるかどうか)をふまえて、今の状態からどれだけ体力がもつのか、ということを逆算して入院をきめています。
抗生剤はふつうはいりません
ヒトメタニューモウイルスもウイルスですので、特効薬になる抗生剤はありません。
抗生剤はいっぱんてきには細菌に対して使うもの(細菌とウイルスはちがいます)ですので、ヒトメタニューモウイルスには抗生剤がききません。
ただし、細菌感染が合併することがありますので、その時には抗生剤を使う必要があります。
ヒトメタニューモウイルスの経過にあわない高熱の持続や、血液検査で炎症反応の数値がものすごくわるいという時に考えます。
その時は、ヒトメタニューモウイルスに対してではなく、合併している細菌感染に対して抗生剤を使用します。
ピークはすぎてもセキはながびきます
ヒトメタニューモウイルスの症状のピークは、だいたい発症5日目ぐらいです。
合併症がなければ、発症5日目ぐらいをこえてくればだんだん治ってきます。
熱が完全にさがるころには、かなりマシになってそこそこ食事もとれてセキやハナミズも治ってきていると思います。
ただし、完全にセキやハナミズが治るまでにはかなり時間がかかり、かるいセキは長引きます。
治りかけのセキをふくめると2~3週間ぐらいはつづく子もいます。
ひどくはないので、自宅でも様子をみれますし、薬がいらなくなるぐらいにもなってきます。
あまりにも続いて心配な場合は、おもいのほかひどいセキのばあいは診察をうけてください。
学校や園に行けるのは熱がさがってセキが軽くなってから
ヒトメタニューモウイルスの登校基準は決まったものがありません。
ですので、普通のカゼと同じように熱がさがって元気なら行くことができます。
セキをしていても、熱が下がるころには感染力がかなり落ちているので問題ないと思いますが、ただし、セキがまだ激しい場合はまわりが気にしてしまうので、登校・登園はさけましょう。
今回の記事が参考になれば幸いです!
それでは!