^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
さて、今回はクレチン症のについて、お母さんが最初に心配になってしまうことを中心に解説していきます。
(専門的には日本ではクレチン症は発生まずしません。先天性甲状腺機能低下症というほうが正確ですが、結果用紙にクレチン症と書いてあるので、クレチン症ですすめていきます)
「クレチン症かもしれないので検査を受けましょう!」と通知がくるのが、だいたい生後2週間ぐらい、退院してから1週間ぐらいのときにいわれます。
幸せいっぱい!でも、不安もたっぷり……の中で急に、「自分の子は病気かもしれない??」という通知がくるので不安で仕方なくなります。
しっかりと検査して方針をたてれば心配がない病気ですので、どのような病気で、どのように検査や治療をすすめていくのかについて、解説していきます。
甲状腺の病気?
この子の将来大丈夫かな💦
発達にも影響するといわれてるけど、どうなの??
このような不安をおもちの方に、ぜひ読んでいただきたいと思います!
Contents
クレチン症とは甲状腺の病気
この病気はちゃんと診断して、かんたんな内服治療をうけることで、将来への影響を実質ゼロにすることができるので、まず心配はいりません。
クレチン症(ほんとうは先天性甲状腺機能低下症がただしい)は甲状腺のホルモンが少なくなってしまう病気です。
甲状腺は、首にある臓器で、甲状腺ホルモンを出しています。
甲状腺ホルモンは代謝をつかさどっています。
もし甲状腺ホルモンが多すぎると(病名でいうと有名なのがバセドウ病)代謝が活発になりすぎてしまい、心臓がドキドキしたり、汗をたくさんかいたり、体重がへっていったりします。
また、甲状腺ホルモンが少なすぎる病気(クレチン以外では、橋本病が有名)では、代謝がおちていきますので、元気がなくなったり、便秘になったりします。
このような作用をもつ甲状腺ホルモンが生まれつきつくりにくい病気がクレチン症です。
甲状腺ホルモンが低いままだと、活気がなくなったり、成長に影響したり、発達障害の原因になったりするので、しっかりと診断する必要があります。
現在では、生まれてしばらくしてから受ける血液検査でほとんどの子どもが診断されるので、心配はありません。
また、1日1回の内服薬で確実に治療ができる病気ですので、薬を飲むというめんどうはあるかもしれませんが、治療さえすれば将来に悪い影響はありません。
ですので、病院への受診の連絡がきたときに、とっても不安になったと思いますが、検査などをしっかりうけていただければ心配ありません。
やるべき検査
では、病院に受診したときにはどんな検査をするのか。
血液検査・レントゲン・エコー、この3つが鉄板です。
血液検査
血液検査では、いちばん大事な甲状腺の数値のほか、一般的な身体の状態を示す項目をみます。
甲状腺の数値はとくに2つあげるとTSHとFT4です。
(あと、サイログロブリンTgというのもはかりますが、ややこしくなるのでカット)
TSH
いちばんの目安にする数値がTSHです。(読み方:てぃーえすえいち)
TSHは脳からでているホルモンで、甲状腺ホルモンの調整をおこなっています。
たとえるなら何か製品をつくる工場の工場長のやくわりをしています。
甲状腺ホルモンという製品がすくなくなってくると、「もっと生産しろ!」と工場長がTSHという命令をだします。
つまり、工場長からの命令がくる(TSHの値が高い)時というのは甲状腺ホルモンがたりていないということを意味します。
TSHが高すぎることでひっかかりますので、数値がさがってくればクレチン症の場合は良いということになります。
病院によって正常値がちがいますが、おおむね0.5~5.0が正常範囲です。
月齢によって感覚がかわりますが、
TSHが30以上だったら治療開始
TSH 15~30でFT4も低めであれば治療開始
TSH 10~15でも、下がり傾向なければ治療開始
というのが治療の目安です。
じつはTSH 5~15は意見がわかれるところで、他の値などもふくめて判断するところになるので、主治医によくきいてください。
さいわい、病院での検査が正常化していたとしても、赤ちゃんのときはTSHの数値が動きやすいので、1歳になるまでは定期的な血液検査が必要になります。
FT4
FT4(読み方:ふりーてぃーふぉー)は甲状腺ホルモンそのものです。
FT4はクレチン症の場合はさがってきます。
FT4が低すぎるということは、甲状腺ホルモンが足りていないということをあらわしています。
TSHとあわせて判断しますが、あまりにもひくい場合は薬をはじめることを考えます。
数値の感覚は、実はなかなか難しいです。
大人の基準値は、これも病院によって違いますが、FT4 0.8~1.5が目安ですが、赤ちゃんは代謝が活発なので、大人よりやや高めがちょうどいいです。
レントゲン
レントゲンでみるのはヒザあたりです。
赤ちゃんの成長過程のふとももの骨では、ヒザあたりにまるい骨がみえるはずなのですが、これがないということは重度の甲状腺機能低下があり、お母さんのおなかの中で骨が十分成長していなかった可能性があります。
(そのまるい骨のことを、「大腿骨遠位端骨核」といいます)
そのまるい骨がでていなければ、症状がひどい可能性を考えるので治療開始するめやすのひとつになります。
エコー
エコーでみるのはくびにある甲状腺です。
甲状腺がちゃんとした場所にあるのか、正常のサイズであるのかを確認します。
生まれつき、甲状腺がない子もいて、その場合は、内服薬をはじめたほうがよいと思います。
問診で確認すること
問診で確認することは、ヨウ素をとりすぎていないかどうかです。
ヨウ素とは、ワカメやコンブなどにふくまれる、いわゆるダシになる成分です。
このヨウ素ですが、甲状腺ホルモンの材料になります。
ヨウ素が足りなすぎると甲状腺ホルモンを作れなくなるのですが、日本の食生活ではヨウ素が足りなくなることはまずありません。
ところが、逆にこのヨウ素が多すぎても、甲状腺が処理しきれなくなり、甲状腺ホルモンを作りにくくなります。
普通の食生活だと大丈夫ですが、1日3食、コンブをそのまま丸かじりクラスになると、さすがにヨウ素が多すぎます。
他には、イソジンで何度もうがいをしたり、妊娠のときの検査で卵管造影というものうけた場合、造影検査で使うくすりの材料もヨウ素ですので、注意が必要です。
治療は甲状腺ホルモン
治療は甲状腺ホルモンの内服です。
こな薬で、飲みにくさはあまりなく、1日1回の内服で大丈夫です。
ホルモンの薬と効くと副作用ないのかな?と心配になる方もありますが、実質副作用ゼロのお薬です。
クレチン症とは、甲状腺ホルモンがたりなくなっている状態ですので、足りないものを補充するだけですので、とくに心配はありません。
ただ、ホルモン全体にいえることですが、バランスが大事ですので多量にのみすぎてしまうと過剰になります。
量の調整には1~2ヵ月ぐらい使いますが、よっぽど極端な量を長くのまないかぎりは症状にもあらわれません。
治療が必要な子に治療が適切に開始されているかどうかが大事です。
早めに治療した方がいい?
遅いか早いかでいうなら、早いにこしたことはありません。
1日1回の内服のお薬で、とくに副作用もないので、すぐに始めてしまうというのもアリです。
とはいっても、少なくとも3年間は続ける必要があるお薬ですので、なしでいいのであればそちらの方がラクです。
よほど重度でない限りは2~3ヵ月以内に治療開始できれば問題ないと言われているので
微妙なケースでは1~2ヵ月ぐらいは注意深く血液検査でチェックをしていくという作戦もとれます。
いつまで薬をつづける必要がある?
最低、3年間はくすりの内服つづけていく必要があります。
それは、3歳までの脳の発達に甲状腺がとても影響していることから無理にやめずにしっかりと治療する、というためです。
3歳をこえてからやめれるかどうかは人それぞれです。
甲状腺がもともとない子であれば、おそらく治療をやめることは難しいと思います。
3歳の時点での、お薬の量が多い子もやめにくいです。
やめれるかな?という人の場合は、3歳以降に少しずつ量をへらしたりしながら、血液検査で異常でないかどうかチェックしながらやめていきいます。
まとめ
というわけで、まとめます!
クレチン症とはうまれつき甲状腺ホルモンがすくなくなってしまう病気
治療が本当に必要かを血液検査などでチェック
治療は甲状腺ホルモンの内服
赤ちゃんの時の脳の発達に影響するので必要なら必ず内服
内服すれば後遺症はまったくありません
今回の記事が参考になれば、幸いです!
それでは!