薬の解説

子どもに処方されるカゼ薬について解説!市販薬のこの成分は注意!

^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!

今回は、いわゆるカゼ薬について解説したいと思います。

意外と、病院で処方されるカゼ薬にあたるものが、どういうものを出されているのかを知らない方多いということは感じていました。

同じ成分でも、作る製薬会社が違うと名前がちがってわかりにくいのだと思いますが、基本的に選ばれるお薬はきまっているんです。

どういうものを選んでいるかについて解説します。

病院で処方されるほうが、症状にあっていて、量もちゃんとでるので良いと思いますが、すぐには病院にいけない方もありますので、市販薬についても調べました。

ただ、市販薬の場合は、「え?こんなの入ってたの?」とびっくりするものも多かったので、注意したい成分についても解説します。

そのうえで、僕なら市販薬で選ぶのはこれかな、というものもお伝えしたいと思います。

病院でだされるカゼ薬の成分はどんなものかな?
市販のカゼ薬もあるけど、いっぱいあってどれがいいか分からないな

という方に解説をしていきます!

 

 

Contents

病院でだすカゼ薬はコレ!

病院で小児科の診療をしていると、一番多いのは、やっぱりカゼです。

カゼというのは、ひろい意味で使われますが、おおむね、咳とハナミズ・タン、発熱が症状です。

カゼと重なる症状のものとしては、花粉症がありますので、それぞれどんなお薬を使うのか解説します。

 

咳の薬

咳の薬として有名なのは、メジコン、アスベリンと言ったものです。

デキストロメトルファン(メジコンのこと)、チペピジンヒベンズ酸塩(アスベリンとのこと)、と成分名で書かれている薬もあります。

咳そのものは、ウイルスなどを外に出す役割があるので、無理に止める必要はありません。

むしろ、どんどん咳をしてウイルスを出してしまいましょう!とも言えます、、、が、、、

何度も咳をしたり、夜に咳をして起きてしまい眠れなければ、体力がどんどん削られてしまいます

そこまでひどい咳の時は、僕は処方するようにしています。

個人的なキーワードとしては「ひっきりなしの咳」「夜おきてしまうぐらいの咳」これを基準にしています。

 

ハナミズやタンの薬

ハナミズやタンがでている時に出すお薬としては、ムコダイン、ムコソルバンが有名です。

成分名を薬の名前としている会社では、カルボシステイン(ムコダインのこと)、アンブロキソール(ムコソルバンのこと)となっていることもあります。

タン切りのお薬は基本的には万能選手なので、カゼと思ったら出してもらいましょう(笑)

とくにムコダインは、ねばっこいタンをやわらかくして外に出しやすくする作用以外に、細胞の運動を活発化させて、ウイルスを外に追い出す役割もします。

カゼ以外に、蓄膿症(副鼻腔炎)中耳炎などにも有効です。

 

発熱の薬

外来に患者さんがくる理由でいちばん多いのは熱だと思います。

小児科で一番よく出すのはアセトアミノフェンという成分の薬、商品名では内服薬のカロナール、コカール、座薬ではアンヒバやアルピニーが有名です。

市販のカゼ薬にもよく入っています。

ちなみに、小児ではロキソニンの系列は基本的にやめておいたほうが良いです

相性の悪い感染症がけっこうあるからです。

アセトアミノフェンは適切につかえば、ほとんど副作用を気にする必要はありません。

 

おまけ:花粉症の薬

カゼではありませんが、鼻水ずるずるの症状といえば花粉症です。

抗ヒスタミン剤、というものを使用することでハナミズの量を減らすことができます。

ただし、効き具合の相性がほんとうにばらつきがあるので、合うお薬を探すのが大変です。

眠気が有名な副作用ですが、眠気が少なく効果ばつぐんの相性がよいお薬を主治医と一緒に探していきましょう。

 

 

 

市販薬に入っている成分に注意

ここからは市販薬(OTC薬)についてです。

市販薬で便利だなぁ、と思うのは色んな成分が1つのシロップに入っているのでいろいろ飲まなくてもよい、というのが楽なポイントです。

病気でくるしんでいる子ども世話をして疲れているのに、いろんな薬を飲ませないといけないというのは大変だからです。

ただ、色々はいっているということはムダなものも入っている可能性もあるということです。

今回、改めて調べていると、「え?こんなの入っているの?」というのがたくさんみつかったので、お伝えしておきたいと思います。

すべてがダメなわけではありませんが、知って使うか、知らずに使うかでは違います。

成分をチラッとみてください。

もし、調べるのが面倒!ってなったら最後に、おススメできる市販薬をまとめましたので参考にしてください。

 

カフェイン

カフェインが入っている、市販薬はけっこう多かったです。

コーヒーやコーラに入っていて、仕事や勉強中の眠気ざましに飲む人はとても多いと思います。

カフェインは神経を刺激することで、疲れを感じにくくなり仕事や勉強にとりくみやすくなる作用があります。

カゼの時に、だるさがあれば元気になる、ということです。

悪くはありませんが、まさに対症療法なお薬です。

眠気がとびやすくなるため、カフェイン入りのお薬を寝る前に飲むと眠りが浅くなる可能性があります。

また、中枢神経刺激によりイライラ感がでる場合があるので、カゼでしんどくてイライラしている時には注意です。

使うとすれば、朝もしくは昼にするほうがよいかもしれません。

 

エフェドリン

エフェドリンは交感神経を刺激します。

交感神経が刺激されることで、気管がひろがり咳に対してプラスの効果を期待します。

脈拍もあがったりする可能性がありますが、市販薬にふくまれるのは厳密にはエフェドリンではなくメチルエフェドリン塩酸塩であり、エフェドリンより脈拍などに対する作用はよわく副作用は少なめのようです。

こちらも、交感神経刺激により興奮する方向へ行きますので、見た目は元気になると思います。

夜眠りにくくなる可能性があるので、朝、昼、または夕方ぐらいの就寝時間に影響しないタイミングがおすすめです。

 

リン酸コデイン

リン酸コデインはキケンです

コデインは麻薬の一種です。

ジヒドロコデインリン酸塩と書いてあったりもします。

病院でコデインは処方できますが、小児への処方は禁忌(ぜったいにだすな!の意味)となっています。

日本の小児でのコデインの死亡例はないようですが、呼吸がとまるクラスの重い副作用は4例報告があるようです。

そのうちの2人は市販薬でおこり、さらにそのうちの1人は遺伝子的にコデインの作用が高まりやすい人だったようです。

世界では12歳未満のコデインでの死亡例が21人あるようです。

世界という規模なので、少ないとみるか、はたまたカゼ薬で21人死んでるのを多いとみるか、、、

少なくとも、病院で処方できなくなったお薬を、おうちで手軽に飲むのはコワイと思いませんか?

 

クロルフェニラミンマレイン酸

クロルフェニラミンマレイン酸は抗ヒスタミン剤とよばれるお薬で、あふれでるハナミズの量をへらしてくれます。

花粉症にはよいとおもいます。

病院で出すこともありますが、もし出す場合はより副作用のすくない第2世代抗ヒスタミン剤(アレグラとかアレジオンとか)を出すことが多いように思います。

副作用としては、眠気です。

けっこう眠いです。

僕は飲んだらフラフラになり、とても車が運転できたものではありませんでした。

ただし、しんどくてイライラして眠りにくい子の場合、あえて副作用を利用することもあって、寝る前にのませることに寝やすくすることもできます

病気でしんどい時に、眠れなかったらかなりつらいですしね。

なので、クロルフェニラミンマレイン酸に関しても注意するというより、使うタイミングを考える、というところですね。

 

 

 

小児科医としておすすめできそうな市販薬

以上をふまえて、自分がもし市販薬を子供に使うなら、という視点でまとめました。

参考にしていただけると幸いです。

 

※念のために注意ですが、使うなら市販薬より処方薬のほうが細かく調整できておすすめします。
また使うかどうかの、そもそもの判断がとても大事です。
病院にすぐに行けない、けど何とかしてあげたい、などの時に参考にしてください。

 

ストナシロップA小児用

色んな成分をひとつにまとめたい!という人向き

成分としては
・解熱剤のアセトアミノフェン
・抗ヒスタミンのジフェニルピラリン塩酸塩
・咳止めのクエン酸チペピジン
・痰キリのグアイフェネシン
ビタミンB
・漢方のマオウトウ

まさに総合感冒薬なお薬ですね。

抗ヒスタミンが入っているので眠気に注意です→寝かせてあげたい、ならアリです

ビタミンも入っているのは、食べれない時のエネルギーの効率利用を考えると好感がもてます。

色々はいっていて、なかなかたくさんを飲ませるのが大変なお子さんにはまとめて投与できる点ではよいと思います。

 

 

ヒヤこども総合かぜ薬M

セキとさらさらのハナミズの子に向いてます

成分としては
・解熱剤のアセトアミノフェン
・咳止めのチペピジンヒベンズ酸塩
・抗ヒスタミン剤のクロルフェニラミンマレイン酸塩

熱を下げつつ、咳をおさえて、ハナミズの量をへらすお薬ですね

抗ヒスタミン剤が入っているので眠くなると思いますが、しんどくて寝つきが悪いのであればアリですね。

 

 

浅田飴子供せきどめドロップG

セキとノドの痛みに気になる人によいと思います!

成分としては
・気管をひろげるメチルエフェドリン
・咳をとめるクレゾールスルホン酸
・喉のいたみをとるセチルピリジニウム

咳をねらったラインナップです。

メチルエフェドリンがはいっているので、少し元気になるかも?

アセトアミノフェンは入っていないので、解熱作用はないです。

セキとノドの痛みの人にどうぞ!

 

 

オマケ:amazonではコデイン入りは買えない

100種類以上のお薬をしらべて、amazonでもいくつか調べましたが、コデイン入りのお薬は

「この商品は指定第2類医薬品、かつ濫用等の恐れのある医薬品です。」

と書いてあって、購入できませんでした。

 

さすが!amazonさん(笑)

 

 

今回の記事が参考になれば幸いです!

 

Arek Socha by Pixabay

ABOUT ME
□ましゅまろ□
関西で小児科をしている□ましゅまろ□です。歴は10年こえました。病気のお子さんを、大変で忙しいなか通院されているご家族をみて、情報があれば自宅で休めたのに、、、というところから、情報発信することにしました。少しでもお役にたてたら幸いです。