^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
大流行、というほどではありませんが、マイコプラズマに感染しているであろう子どもをチラホラみます。
新型コロナウイルスがひろがっていくなか、ひそんでいる別の感染症をしっかりを見極める必要がありますが、そのひとつがマイコプラズマです。
どういった特徴があるのか、どういう症状からうたがうのか、検査をどうするのかについて解説します。
新型コロナウイルスと症状がかさなるところがありますが、区別するポイント(また区別しにくくなってしまう状況)について解説をしていきます。

外にでてもいいのかな?
コロナとはまた違うんだろうか?
そのような疑問について解説をしていきます。
Contents
マイコプラズマの症状は「かわいた激しい咳」
マイコプラズマの症状のいちばんの特徴は「かわいた激しい咳」です。
診察して、この子はほぼマイコプラズマだな、と思うときというのは、お母さんに問診をしている間にも子どもがずーっとかわいた咳をくりかえしているときです。
かわいた咳、というのは咳しているときにタンがからまない咳をいいます。
あと、マイコプラズマはカゼと違いハナミズがほとんどでません。
風邪かな?とおもっても咳だけではげしい場合はマイコプラズマも考えたほうがいいかもしれません。
熱がでていることが多いですが、でないこともよくあります。
熱がしっかりでた子どもはそこそこくったりしてきますが、熱がそこまで高くない場合は咳がけっこう激しいわりにはけっこう元気です。
マイコプラズマも軽症から重症までさまざまなので、ひとことでまとめるのは難しいですが、よくある症状でまとめると
「咳はけっこう激しいけど、ハナミズほとんどなく、そこそこ元気」というのが典型的です。
実は難しい診断
では、診断はどうするか。
おおきくは「問診と診察による診断」と「検査による診断」にわかれます。
問診と診察による診断
むずかしい言葉を使うと「臨床診断」といいます。
話をきいて、胸の音をきいて、この病気だ!というわけですね。
マイコプラズマは「はげしいかわいた咳」という症状の特徴のほかに、若い年齢(成人なら20才台、小児ならおもに10才前後)というところなどで総合的に判断します。
潜伏期間(感染してから発症までの期間)が2~3週間とけっこうながいことも特徴ですが、そこそこの感染力があるので、周囲にかわいた咳をしている人が多いという情報も診断の助けになります。
また重症度が高くなければ、咳がひどいわりにそこそこ元気という子も多いです。
夜もおきてしまうぐらいの激しい咳しているのに、ハナミズがほとんどなくて、元気というのはあやしいですね。
あと、胸の音じたいはとってもキレイです。
けっこう激しめの肺炎であっても、音がキレイという、ちぐはぐな感じがマイコプラズマらしいです。
検査による診断
レントゲン
マイコプラズマにかかった人みんなが肺炎をおこすわけではありませんが、肺炎になった場合はレントゲンで白い影がうつってきます。
ふつうの肺炎は、肺の下の方にできやすく、真ん中あたりにできることが多いです。
マイコプラズマに特徴的なレントゲンは、真ん中ぐらいの高さ~上のあたりにできやすく、中心から外にひろがるようにできます(文章ではわかりにくい、、、)
のどをぬぐう検査
のどを綿棒でぬぐう検査があります。
これは、その病院に検査の機械があるかどうかで検査できるかどうかが変わります。
のどをぬぐう検査にも実は種類があるのですが、いずれも精度は高めでおすすめの検査です。
専門的にはリボソームRNAをみる迅速検査と、LAMP法とがあります。どっちも好きです。
血液検査
血液検査で、その日にすぐ出る範囲の結果では白血球は正常にもかかわらず、CRP上昇というものがあります。
ただ、これだけで決まるわけではありません。
一番まちがいないのは、マイコプラズマの抗体を調べることですが、時間が非常にかかります。
まず、1回目の検査を行い、結果までにはだいたい検査会社にだしていることが多いので3~4日かかります。
その後、1~2週間後に2回目の血液検査を行い、検査会社にだして検査をして結果を出します。
1回目の検査と2回目の検査を比べて数字が上昇していればマイコプラズマ、と確定します。
つまり、すべての検査結果がでるまでに2~3週間はかかるので治療に対してはメリットはなく、後出しじゃんけんで結果がわかる検査になります。
ただし、もっとも診断の信頼性は高いです。
治療は抗生剤
治療は、抗生剤です。
実はほおっておいても自然におさまるのですが、なかなかに長引くのでマイコプラズマの診断にいたった場合は抗生剤使用をおすすめしています。
小児科でマイコプラズマに使える点滴のお薬はありません、ぜんぶ飲み薬です。
すすめられている順番で抗生剤を紹介していきます。
クラリスロマイシン
クラリス、や、クラリスロマイシンという名前で処方されます。
小児科でよく処方されるお薬の中で、ゆびおりの苦さ💦
ちょっとお腹がゆるくなりやすいという副作用があるものの、他のおくすりと比べると圧倒的に副作用はすくないので、ガイドラインでもいちばん進められているお薬です。
クラリスロマイシン耐性(つまり効きにくい)マイコプラズマもありますが、しっかりした量を処方してもらえれば、けっこう効きます。
ほかに注意なのは、カゼ薬の一部とのみあわせがわるくて苦みが増してしまいます。
ムコダイン、ムコソルバン、この2つとは同時にのまないほうがいいので、処方してもらっているときは30分以上あけて飲んでください。
オゼックス
トスフロキサシンという名前ででてくることもあります。
イチゴ味のあまーいお薬です。
ものすごく味がよくて、実際におためしてもらったことがあるのですが、お薬なのにおいしすぎて僕自身おかわりしかけたお薬です。
ただし、このお薬は発疹がそこそこの割合でおこってしまい、また耐性菌をおこしやすいといわれていますので、やや使いにくいです。
色んな細菌に対しても使いやすい分、温存しておく意味で最初からは使わないほうがよいお薬です。
ミノマイシン
ミノサイクリンという名前で処方されることもあります。
マイコプラズマではかなり効果があります。
うまくいけば飲み始めて次の日に熱がさがるぐらいスパッとききます。
ただし、最大のデメリットは8歳以上にしか使えないという年齢のしばりがあります。
乳歯から永久歯にはえかわっていない時期に使うと歯が黄色くなってしまう副作用があるからです。
ただし、あまりにも重症のマイコプラズマと判断した時には、7歳以下でも使うことがありますが、よく主治医の先生と相談してください。
子どもと大人の抗生剤のちがい
大人ではクラビットといった系列のお薬を使うことがあります。
ただし、これは子どもには使うことができません。
ニューキノロン系という系列のお薬なんですが、子どもの関節に悪影響があると言われています。
子どもには使ってはいけないお薬になりますので、注意してください。
(出されないと思いますが、万が一処方されてしまった場合は、そのお医者さんとのお付き合いは考えたほうがいいです、、、)
マイコプラズマと似た感染症とのちがい
子どもでちがいをみないといけないのは、マイコプラズマ以外が原因となるウイルス性肺炎や細菌性肺炎です。
ウイルスとしてはRSウイルスやヒトメタニューモウイルスが有名です。
おおくのウイルスによる肺炎は、ハナミズが多くて、タンも多くてゴロゴロいっていることが多いです。
ウイルス性肺炎でもぐったりぎみになることはありますが、細菌性肺炎はもっとぐったりします。
細菌性肺炎は、血液検査でだいたいくべつできます。
新型コロナウイルスとのちがい
新型コロナウイルスは全く無症状の人から命にかかわる超重症まで幅がひろいので、ばしっと違うといいにくいところがあるのですが、病院に自分から歩いて受診できるぐらいの重症度を想定して違いをみていきます。
〇咳
マイコプラズマ→かわいた咳
コロナ→しめった咳(タンがからむ咳)
〇倦怠感
マイコプラズマ→ひどくない
コロナ→ひどい倦怠感
〇筋肉痛
マイコプラズマ→そこまで強くなく元気
コロナ→つよい倦怠感
〇レントゲンでの肺炎の特徴
マイコプラズマ→中~上にかかけて中心からひろがる
コロナ→外側におおい
※これらで決まるわけではなく、マイコプラズマと区別しにくいこともあるので、よく担当の先生と相談してください。
今回の記事が参考になれば幸いです。
それでは!
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