^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
子どもさんが血液検査を受けたことがあれば説明を聞いたことがある白血球について解説したいと思います。
血液検査をして、一番先に確認する数値といっても過言ではないぐらいよく目安にする項目です。
白血球とはそもそも何なのか?
子どもの基準値は大人と違うのか?
異常があったときにはどんな病気を考えるのか?
どれぐらいの数値だと異常と考えるのか?
について解説していきます!
白血病?
変な病気だったら嫌だな、、、
という疑問が晴れてくれれば幸いです。
Contents
そもそも白血球とは
白血球とはバイ菌やウイルスを倒す体の成分です。
感染症にかかったら、バイ菌などをやっつけようとして白血球の数が上がります。
感染症以外でもあがることがあります。
ケガをしたり咳き込んだりしても数字が上がることがあります。
特に何度も吐いたりした時はかなり上がります。
白血球の基準値
白血球の基準値は4000~8000ぐらいです。
血液検査の結果用紙によっては40~80と書かれていることもあります。
よくよくみると単位が何百、となっているので同じ意味なのですが注意が必要です。
検査値は病院によって変わりますので、多少のブレは気にしなくても大丈夫です。
その病院の基準値と比べてどれぐらい離れているかをみてみてください。
また、子どもと大人では血液検査の結果の数字が違うことがよくありますが、白血球は代表であり、大人より高くなります。
さらに、年齢が小さければ小さいほど白血球の数は高くなる傾向があります。
大人は8000ぐらいまでが正常なのに対し新生児では15,000ぐらいまで、1歳未満の乳児では12,000ぐらいまでは普通の数値です。
基準値の参考→小児科学レクチャー 臨床検査基準値
(個人的な感覚では、やや高めの数値が記載されているように思います)
しかし結果用紙に書かれている血液検査の正常値はすべて大人のものなので数字を見ると異常に高くてびっくりされるかもしれませんが大丈夫なことも多いのです。
例えば、白血球 13000!高い!と書いてあっても、生後4ヵ月と言われると「正常か~」と思えるわけです。
子どもの検査値の見かたは慣れないと難しいかもしれませんね。
白血球が高いときは?解釈の仕方と数値の感覚
「白血球 高い」で検索すると、だいたい「細菌感染症」や「白血病」と出てきます。
白血球が高いって何があるんだろう?と不安になっている人が「白血病」の文字を見ると、さらに不安が増大すると思います。
不安が不安をよばないように、だいたい僕たちが数値でどう解釈していくのか解説していきます。
※よくある解釈を書いていきますが、患者さんの状態で大幅に解釈はかわるので、不安なときは必ず担当医に確認してください
例:元気な2歳の子で考える白血球数
年齢でもかわるので、一応「2歳」あたりの子を想定します。
→これは本人も元気だし、カゼ
→これは本人も元気だし、カゼ
→これは本人も元気だけど、少し高いかな?たぶんカゼ
→これは本人も元気だけど、高めかな?カゼだとは思うけど
→元気だけど、カゼではないかも
(実際の現場では白血球数だけでは解釈しませんので、念のため)
読んでいただくとわかると思いますが、数値で解釈というより前に「元気かどうか」と子どもの状態に重点が置かれているのが分かりますでしょうか?
検査値も大事ですが、状態がとても大事になるんです。
もちろん、ここで言う元気は、熱がでている子ですので、いつも通り元気というよりは「熱がでているわりに元気」ということです。
例:吐いているぐったり腸炎の2歳の白血球
→きっとウイルス性腸炎だろう
→きっとウイルス性腸炎だろう
→きっとウイルス性腸炎だろう、白血球の上昇は吐いてるからだろう
→きっとウイルス性腸炎だろう、白血球の上昇は吐いてるからだろう
今回の注目すべき状態は腸炎です。
腸炎の診断が間違っていないことが前提になりますが、腸炎のほとんどは「ウイルス」によるものです。
ノロウイルスを代表に、ロタウイルスやアデノウイルスなど様々です。
白血球の数で、腸炎の原因が変わるわけではないので、白血球の数によらずウイルス性腸炎と考えるのです。
(一方で細菌性腸炎も白血球あがることがありますが、火の通りきっていない鶏肉を食べた、などバイ菌が感染した状況を聴取する必要があります)
そして、吐くことは白血球の数をかなり上昇させます。
20000を超えることもしょっちゅうです。
たまに30000も超えます。
もちろん、高い時には診断が間違っていないか、と再確認する必要がありますが、確認して問題なければ上記のような解釈になります。
繰り返しになりますが、白血球そのものの数値より本人の状態がとても大事です。
例:肺炎になった2歳
肺炎の場合は、ウイルスが原因のこともバイ菌(細菌)が原因のこともありますので数値の感覚はかわってきます。
マイコプラズマとか他の可能性を考えるとややこしいので、今回はウイルス性か細菌性かどちらかという2択で考えてみます。
→きっとウイルス性だろう
→きっとウイルス性だろう
→きっとウイルス性だろう
→ウイルス性か細菌性か微妙
→ウイルス性か細菌性か悩むが細菌性だろう
→細菌性だろう
→細菌性だろう
個人的には15000ぐらいが目安のように思います。
ただ、肺炎で咳が激しい場合は、咳が原因で白血球数があがることもあるので、さらに難しくなります。
なんとなく、数値の感覚分かりましたか??
白血球が少ない時は?
白血球が少ない時もあります。
免疫がかかわる特殊な病気や、治療のために下がることもあります。
小児科外来で出会うことが多いものは、「ウイルス感染」です。
と思ったアナタは鋭いです。
ウイルス感染は白血球を上げるときも下げるときもあります。
インフルエンザウイルスは下げることが、まぁまぁ多いです。
白血球の数で、白血病が分かるのか?
白血球の数の疑問で、一番不安要素が強いのは白血病関連ではないでしょうか?
数値が高いと白血病かも?と不安になる方はまずまずおられます。
では、白血病かもしれない数値はどうでしょうか?
白血球の数だけでは実は分からないのですが、数値だけで判断するなら
白血球10万こえたら、ほぼ間違いなく白血病だと思います。
10000や20000で高いのでは!?と思っていた人からするとケタが違うので安心してもらえるかも?
もう少し低めに見積もると
白血球 50000以上だと白血病をけっこう意識します。
細菌感染症で白血球 30000や40000はそこそこみるので、気にし始めるのは50000ぐらいからでしょうか。
ただし、白血病は数で診断するのではなく白血球の中身に異常細胞がいるかどうかで診断するので、実際問題、白血球8000の白血病もおられます。
あとは、低い場合です。
意外かもしれませんが、白血病だと数値が下がることがあるのです。
白血球1000と言われるとかなり嫌な気持ちになります。
これも、白血球の中身に異常細胞がいるかどうかがポイントになります。
異常細胞は最初からいるとは限らないので、怪しい数値の時には何回か採血して確認することもあります。
まとめ
白血球数について、役割と例を通して数値の感覚をお伝えしました。
患者さんの状態で解釈は大幅にかわります。
白血病は、異常細胞がいるかどうかで変わりますが、数値でみるときは5万を超えたらかなり怪しく10万こえたらほぼ間違いないです。
白血球数は低すぎる時も変な病気ないかは考えます(2000未満だとかなり考えます)
解釈は奥が深いのでまだまだ書ききれないこともありますが、今回はこれぐらいで。
参考になれば幸いです!
それでは!
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