^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
2020年3月18日にNew England Journal of Medicineという世界のトップレベルの医学雑誌に、新型コロナウイルスに感染した子ども171人についてまとめた論文が掲載されました。
SARS-CoV-2 Infection in Children March 18, 2020 NEJM
短いさらっとした論文ですが、感染の中心地となった武漢からの報告で、なんだかんだで日本のご近所さんでの情報ですので、今後、日本でものすごい流行がおきた場合の参考になると思います。
論文のポイント、思うところを書いたあと、論文訳を掲載します。

死亡例もあるって聞いたけど、、、
Contents
おおくは発熱なく、16%は無症状
今回の論文は16歳以下の小児例をまとめたものです。
合計患者数は171人、まずまずの数です。
しかし、熱があったのは41.5%で、逆にいうと6割の子供は発熱がありません。
レントゲンで肺炎と診断されたのは65%となかなかの数です。
ただ、日本と同じようにしているのであれば、肺炎と診断された人を中心に検査をされていると思うので、コロナにかかったからみんな肺炎になりやすい、とはストレートには言えないかもしれません。
肺炎と診断される人が多い一方で、まったくの無症状の人が16%もいます。
さらには、レントゲンで肺炎あり!と言われているのに、症状がなかった、という人も7%いるようです。
肺炎が進行すると、体中の酸素が足りなくなってしまいますが(SpO2という数字をみます)、かなり酸素の数値が低くなったのは4人のみで、基礎疾患のあった3人をのぞけば、たった1人のみです。
このことから、基礎疾患がなければ重症化はまずしないが、子どもだからといって重症化しないというわけではない、と言えると思います。
重症化は1.8%だが、基礎疾患あり
人工呼吸管理もするような、集中治療が必要になったのは3人で、いずれも基礎疾患があったようです。
3人の基礎疾患の内訳は
・白血病
・水腎症
・腸重積症
です。
白血病治療中の人は、だれがきいても、それは重症化するだろう、と予測がつくものです。
さすがに子どもなので、大人の基礎疾患でいわれる糖尿病などは入りませんでしたね。
ただ、、、あとの2つは微妙ですね。
水腎症はあっても、肺とは無関係なので、普通は肺に感染するようなウイルスがきたとしてもあまり関係ないような気がするのですが、よっぽど合併症がある水腎症なのか、、、
そこまでのくわしい記載がないので、それ以上はわかりませんでした。
1人の死亡例は本当にコロナで亡くなった?
亡くなった1人は腸重積を合併していた子です。
こちらも、詳細は書かれていませんでしたが、多臓器不全で亡くなったようです。
多臓器不全はすべての病気のいきつくところなので、これが原因と言われてもつっこみどころまんさいです。
普通の腸重積なら、肺に感染するコロナとは関係ないと思いますが、、、
しかし、腸重積の子の診断が24時間以上遅れると、腸がくさってしまい、早くに手術を受けることができなければ、まさに多臓器不全でなくなってしまうことになります。
なので、これは完全な予想なのですが、亡くなった子は腸重積を発症していたけれども、コロナのために病院がオーバーシュートを起こしてしまい、適切に診断されにくい状況になり、手遅れになり、かつコロナにも感染してしまった、というのはどうでしょうか?
つまり、コロナに感染したけれども、死亡原因は腸重積だった、、、というオチはなきにしもあらず?
(まぁ、それなら、そうと書くと思うので違うかもしれませんが、、、)
短い論文であるため、くわしいことがわかないということもあり、一応、邪推です。
論文訳
タイトル:SARS-CoV-2 Infection in Children
2020年3月10日までに世界中で新型コロナウイルスに感染した患者は11万人を超え、4000人以上が亡くなった。しかし、子どもの感染例に関する情報は限られている。
中国疾病管理予防センターからの最近の72314人の患者情報によれば、10歳未満の子どもの感染例は1%未満である。
子どもへの新型コロナ感染がどのようなものかを同定するために武漢で16歳以下の患新型コロナウイルス感染者を治療する中央政府に委託されたただひとつの武漢子ども病院で、治療された患者について検討した。
濃厚接触のある人の中で、症状がある人、無症状の人、両方について検討した。鼻咽頭、もしくは咽頭ぬぐいにより新型コロナウイルスのRNAを同定した。臨床経過について2020年3月10日までモニターした。
1月28日から2月26日までに1391人の小児患者に検査を行い、合計171人(検査数に対して12.3%)の患者が新型コロナウイルスと診断された。それらのデータをTable1にまとめた。
・41.5%(71人)が期間中に発熱があった
・15.8%(27人)は無症状でレントゲンでの異常もなかった
・7.0%(12人)の患者で、レントゲン変化はあったが無症状だった
・1.8%(3人)が集中治療と人工呼吸器管理を必要とした。(そのすべての患者は基礎疾患がある:水腎症、白血病、腸重積症)
・3.5%(6人)でリンパ球減少がみられた(リンパ球数1200未満/μL)
・32.7%でレントゲンでもっともよくみられる両側性のスリガラス陰影をみとめた
・腸重積を合併していた生後10ヵ月の児が入院後4週間で多臓器不全のため亡くなった
・21人(15%)が状態安定のため一般病棟で治療を受けており、149人(87%)が退院した。
まとめ
子どもは軽症がおおいということはかわりなさそうですが、やはり基礎疾患があると重症化するようです。
感染があまりに拡大すると、白血病の子にもかかる可能性はふえ、子どもの命にもかかわります。
軽症でおわりやすいからといって、感染してよい、ということにはなりません。
大変な時期がつづきますが、やはり手洗いなどを徹底して、感染拡大をふせいでいきましょう!
今回の記事が参考になれば幸いです!
それでは!