病気の解説

変な咳をするクループとは?

小児科外来で受診される症状として、「咳」はとてもありふれています。

その中で、「変な咳をしている」ということで受診される場合たいがいはクループと呼ばれるものです。

カタカナの病名であることや、聞きなれない病名だと、不安になってしまう方もあると思いますので、クループについて解説させていただきます。

クループって何?
カゼとは違う?どう違うの?

という疑問にお答えしていきます。

 

Contents

クループとは

クループは、クループ性気管支炎とかクループ症候群とか、さらに難しい言葉では声門下喉頭炎とか言われますが同じです。

クループには真性クループと仮性クループに分かれます(一般には細かい知識なのでこのパラグラフは無視してOKです)
真性クループの原因はジフテリアで予防接種の中で四種混合ワクチンに含まれており近年はみられなくなったので、実質、クループ=仮性クループをさします。

詳細はこちら→国立感染症研究所 ジフテリアとは

 

クループの診断

特徴的な咳で診断をします。

犬やオットセイのなき声と表現されますが、言葉ではまったくイメージできません。

でも聞いたら忘れません。

Youtubeにいろいろアップされていますが、短い動画を一つピックアップしました。

レントゲンをとることもありますが、参考程度です。

聴診器で音をきいても、だいたいは正常な音ですが、吸う時にヒューヒュー音がする時には重症なことがあるので要注意です。

 

クループの治療

クループといっても軽いものから重いものまで幅があります。

軽症のクループは、「変な咳のでるカゼ」ですので、一般的なカゼ薬で大丈夫です。
なんなら薬もなくても大丈夫なぐらいです。

ある程度ひどければ、声帯のあたりが感染を起こしてむくむことでしんどくなるので、むくみを和らげる目的で吸入薬を使用します。

重症のクループの場合は、呼吸困難に陥ることがあるので入院が必要になる場合もあります。
重症の場合には、声帯のあたりのむくみが非常に強いのでステロイドによる治療が必要になることもあります。

 

検査は必要か

クループに必須の検査はあまりありませんが、重症の場合には他の病気の合併をしらべておく必要があるのでレントゲンや血液検査を行います。

軽症のクループでは基本的には検査は必要ではありません。

 

まとめ

クループは「変な咳のでるカゼ」なので、咳が変だからと急ぐことはありません。

呼吸困難に陥っているときはクループであろうとなかろうと重症ですのですぐ受診してください。

治療はカゼと同じですが、重症の場合ではステロイドなどが必要になります。

 

おまけ:マスクでのどに潤いをあたえて症状軽減

自宅でできる治療は、休息と加湿です。
筆者もつかっているのは、のどの潤いを保つようなマスクです。
いくつか種類がありますが、いつもお世話になっているのが、これです
のどぬ〜る ぬれマスク 立体タイプ 無香料 普通サイズ(3組)【のどぬ〜る(のどぬーる)】

 

 

今回の記事がお役にたてると幸いです!

それでは!

ABOUT ME
□ましゅまろ□
関西で小児科をしている□ましゅまろ□です。歴は10年こえました。病気のお子さんを、大変で忙しいなか通院されているご家族をみて、情報があれば自宅で休めたのに、、、というところから、情報発信することにしました。少しでもお役にたてたら幸いです。