^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!
小児科では大事な川崎病についてシリーズで解説をしていきます。
川崎病は、診断・治療が非常に大事な病気です。
僕はかなり気を遣って治療をし、いつもヒヤヒヤ・ドキドキしながら診療にあたっています。
治療がうまくいくケースもけっこうありますが、油断するとその子の後遺症につながってしまう可能性があるからです。
本日は、川崎病の全体像について解説をしていきたいと思います。

重い病気みたいだけど、不安…
という方に順番に解説をしていきます!
Contents
そもそも川崎病って?
川崎病を一言で言うと
「熱がつづいて、ほおっておくと心臓に後遺症をのこす病気」です。
かなり体に負担がかかるためか、ぐったりしている子が多く、しんどさゆえにかなり機嫌も悪くなります。
症状は診断基準の6つがおきてきます。
診断基準は6つの症状
川崎病は検査で診断をつけるわけではなく、症状で診断をつけます。
6つの症状を見ていきます。
1.発熱
2.目の充血
3.唇・舌・のどが赤くなる
4.発疹(BCG部位発赤含む)
5.手足が腫れる・赤くなる
6.首のリンパ節がはれる
6つの主症状のうち、5つ以上、もしくは4つ以上で他の病気が否定的で冠動脈に変化があること、となりますが、、、
診断が難しいワケ
難しさ理由を3つあげるとすると
微妙な症状も含まれる
検査では診断確定できない
川崎病は、今の時代は最終的に見逃すことはほぼありませんが、早めに見つけるのはかなり難しいです。
まず、発症の初日は熱のみのことがほとんどです。
しんどそうなこともありますが、子どもは風邪でしょっちゅう熱がでますので、受診しても最初はやはり「風邪」判定になります。
その後、熱が下がらずに発症2~3日ぐらいしてから症状がではじめますが、例えば発疹もよくある症状なので「風邪+湿疹」の判定になったり、目が赤くなっても「風邪+結膜炎」の判定になることも多いです。
4~5日目ぐらいになってくると、他の症状もそろってくるので、川崎病を疑いやすくなります。
逆に、川崎病をすごく心配する先生が診察をしたとして、熱+発疹で川崎病かも!と思ったとしても、他の症状がそろっていなければ川崎病と断定できないので、しばらく様子をみることになります。
検査で確定できるものではないため、結局時間をかけないと川崎病の判定ができない、というところに難しさの一つがあります。
また、症状が、微妙なものも含まれます。
首のリンパ節が大きく腫れていれば見逃しませんが、ちょっと腫れているだけ。
もともと日本人の肌は少しピンクを帯びていますので、唇や手のひらが真っ赤であればいいのですが、ほんのり赤い場合は川崎病の症状と判定するのか、非常になやみます。
断定できないレベルの微妙な症状でも診断に繋げないといけない時がある、というのが難しさのもう一つの要素です。
もう一つは検査だけでは基本的に川崎病の診断ができない、ということです。
多くの方は「え?検査で病気ってわかるんじゃないの?」と思われると思います。
もちろん、川崎病でよくみられる異常というのがあるので、診療の参考にはなり大事なので必ず検査はします。
しかし、診断項目に検査の結果は含まれていないので、検査だけでは診断はできないんです。
検査結果を参考に、症状をしっかりとチェックするということが、とても大事になります。
川崎病は血管炎が起こる病気
血管炎という状態があります。
専門用語なのでイメージしにくいかもしれません。
血管に炎症という火事がおこってしまうことで発熱したり血管にダメージがおこるのが「血管炎」です。
血管に火事が起こることから、赤くなるという症状がよく出るために、目が赤くなったり、皮膚が赤くなる(発疹)がでたりします。
この血管炎が後遺症にもつながってきます。
川崎病で怖いのは心臓の後遺症
川崎病で怖いのは心臓の後遺症です。
冠動脈(かんどうみゃく)という言葉を覚えていただく必要があります。
心臓は酸素や栄養を含んだ血液を体中に送り出すポンプの役割をしますが、心臓自体も栄養がないと動くことができませんので、心臓に栄養をおくる血管が冠動脈です。
心臓を冠のように取り囲んでいるので、かんむりの動脈、と書いて冠動脈(かんどうみゃく)と読みます。
冠動脈がつまる病気が、いわゆる心筋梗塞で、胸の激痛とともに命にかかわる病気になります。
川崎病が治らなければ、冠動脈がコブのように腫れてしまう「冠動脈瘤」というものができてしまい、できたコブの中で血が固まりやすくなり心筋梗塞の原因になります。
平均寿命まで生きるとすると、約80年間も心筋梗塞と隣り合わせて生きていかないといけない、というのは相当つらいものです。
避けなくてはいけない後遺症ですので、適切に診断して適切に治療を行う必要があります。
川崎病は原因不明
川崎病では、血管炎が起こっていることはわかりましたが、では、なぜその血管炎が起こるのか?については分かっていません。
感染症がかかわっているのか、アレルギーか、環境か、と色々いわれていますが、確定するようなことは出ておりません。
川崎病にかぎらず、重い病気を発症した場合に、お母さんは「何か私が悪いことをしたからこんな病気を起こしたのではないか」と自分を責める方もありますが、そんなことはありません。
大事なのは、状態が悪くなってしまった子を病院にしっかり連れてきていただくことですので、病院に連れて行ってくれている時点でお母さんの役目はしっかり果たしていていただいているといえます。
今回は、川崎病の概要について解説しました。
次回以降で、川崎病で行う検査の見るポイントについて解説していきます。
今回の記事がお役にたてたら幸いです!
それでは!