外来でみる病気

鉄欠乏性貧血でみるべき検査:ヘモグロビン(財布)とフェリチン(銀行)

^_^こんにちは!□ましゅまろ□です!

鉄欠乏性貧血という病気があり、その検査で特にみるべき2つの検査項目を中心に解説していきます。

貧血と一口に言っても実はいろいろなタイプがあります。

その中で最も多いのが鉄欠乏性貧血と言うものです。

名前の通り、鉄分がすくないためにおきる貧血です。

大人の女性でも特に多いですが、こどもにもみられます。

血液検査でしらべていきますが、いくつもみる項目はある中で特に2つをピックアップします。

また、この2つの数値を、財布のお金と銀行のお金に例えて考えています。

順番に解説していきます。

貧血のときの血液検査
どこをみればいいのかな?

という、疑問に答えていきます!

Contents

鉄欠乏性貧血とは

鉄欠乏性貧血とは鉄の成分が少なくて貧血になった状況です。

ヘモグロビン(Hb)と言う言葉を聞いたことがありますでしょうか?

ヘモグロビンとは鉄を含む血液の成分の1つで酸素を体中に運ぶ役割をします。

鉄分が少ないとヘモグロビンが少なくなりますので体中に酸素を運ぶことが難しくなり疲れやすくなってしまいます。

大人の女性だと、月経による出血で鉄分を失いやすく鉄欠乏性貧血になりやすいのです。

こどもは?というと、大人と同じく生理がきてしばらくした中学生でたまにおきますが、

実は生後6ヵ月~1歳ぐらいの赤ちゃんでも起きることがあります

体がめきめき成長する時期にも関わらず、離乳食があまり進まなかった子で、鉄分が不足してしまうことがあるんです。

子どもで貧血が見つかるパターンは

体重が伸びなやんでいるため、採血で精密検査したら貧血がわかった

肺炎とか感染症の検査のときみてみたら貧血だった

あまりにも色白で活気がすくないので採血したら貧血だった

だいたいこのあたりです。

貧血で最初に見るのはヘモグロビン

ヘモグロビンとは貧血かどうかを見る1番最初にチェックする項目です。

血液検査の結果用紙をみると「Hb」と表記されていることもあります。

ヘモグロビンが基準より低くなることが貧血です。

子供では年齢言って基準値が違います
➡参考:小児の基準値 小児科学レクチャー ヘモグロビン

おおまかな目安では、小さい子ではヘモグロビンが10未満であれば貧血と考えます。

また、鉄の飲み薬が必要と考えるのはヘモグロビンがだいたい8未満のときです。

次に注目のフェリチン

フェリチンも大事な項目です。

ただし、その日のうちに検査結果がでない病院も多いです

フェリチンは別名、貯蔵鉄、と言われます。

鉄欠乏性貧血ではフェリチンが低下していることが多いです。

ヘモグロビンとフェリチンの重要性を財布と銀行に例える

貧血の状態を理解するために財布と銀行にあるお金で考えます。

たとえば、お財布にもたくさんお金があって、銀行にもたくさんの貯蓄があるとどう思いますか?

経済的にとても余裕がありますね。

次に、お財布にそれなりにお金はあるけれども、銀行に貯蓄がほとんどない場合はどうでしょうか?

財布にお金があるので、しばらくの生活は大丈夫でしょうが、ちょっとしたことで金欠になるので不安はありそうです。

最後に、財布にも、銀行にもお金がない場合はどうでしょうか?

生活はまともにできず、すぐにギブアップです。

これを身体にあてはめるとどうでしょう?

この場合、お金は鉄分、ヘモグロビンは財布で、フェリチンは銀行です。

普通は鉄分というお金が潤沢にあるので、ヘモグロビン財布の中にはお金十分で、フェリチン銀行にもお金がありますので、元気100倍で運動も大丈夫です。

鉄欠乏性貧血は、鉄分というお金が足りなくなった状態で、金欠の度合いが強いとヘモグロビン財布にもフェリチン銀行にもお金がないため、すぐに疲れてしまいます。

鉄材を飲んだり、鉄分を多く含む食材をたべて改善していくと、銀行からではなく、まずは財布の中のお金からふえていきます。

となると、検査結果では、ヘモグロビンが正常に近づいたが、まだフェリチンは正常化していない、という時がきます。

これは、まだ治療の途中段階です。

しっかり鉄材を飲むなどして、ヘモグロビン財布だけでなく、フェリチン銀行も正常化して十分なたくわえをもつ必要があります。

他にみておくべき項目

MCV・MCH・MCHC

ヘモグロビンを含む、赤血球という成分のサイズと濃さをしめす数値がMCVとMCHとMCHCです。

ヘモグロビンの材料の鉄が少ない状態ですので、赤血球は小さく、薄くなります。

そうするとMCV・MCH・MCHCは基準値より低くなります。

Fe(鉄)

鉄の成分そのものをみています。

鉄欠乏性貧血は、鉄が少なくなった状態ですので、もちろん低値になります。

TIBC(総鉄結合能)

一般の方がみたら、一番わけのわからない項目ではないでしょうか?

TIBCとは言葉をかえると、身体が鉄分を欲している度合いを示す数値です。

つまり、TIBCが高いということは鉄をほしがっている=鉄分が足りていない

ということを示します。

まとめ

まずはヘモグロビン(Hb)をみて低ければ貧血

余力があるかをみるフェリチン(銀行)の値もチェック

治療によって、まずヘモグロビン財布が改善して次に貯蓄のフェリチンが上昇する。

 

 

 

財布と銀行のたとえ、わかりましたでしょうか?

財布だけではなく、銀行にも潤沢に貯蓄がまわるぐらいまで鉄をしっかり摂取しましょう!

それでは!

Image by Narupon Promvichai from Pixabay

ABOUT ME
□ましゅまろ□
関西で小児科をしている□ましゅまろ□です。歴は10年こえました。病気のお子さんを、大変で忙しいなか通院されているご家族をみて、情報があれば自宅で休めたのに、、、というところから、情報発信することにしました。少しでもお役にたてたら幸いです。